内装工事

快適なオフィス、使い勝手の良いオフィスを構築するために内装工事は欠かせません。従来のオフィスの建物は標準内装仕上げという制約のなかで内装の自由度が制限されていましたが、使用者が余分なコストをかけず内装工事ができるようスケルトン貸しが可能なケースが増えてきました。内装工事には様々な工事がありますが主な工事は以下のとおりです。
床・・・フリーアクセスフロア(OAフロア)、床仕上げ工事(タイルカーペット・Pタイルなど)
壁・・・塗り壁(モルタルやプラスター、塗装)張り壁(壁紙)間仕切り(スチールパーテーション・アルミパーテーション・軽量鉄骨間仕切り)
天井・・・天井本体、照明工事や天井に付属する各種設備工事(空調・防火・放送など)
窓周り・・・ブラインド・ロールスクリーン・カーテン
造作工事・・・エントランスなど既成商品だけでは満足できない場合などの別注対応
原状回復工事・・・賃貸オフィスから撤退する場合、内装を借りた時点の状態に戻す工事

床工事

オフィスビルにおける床工事としてはフリーアクセスフロアがあります。複雑になる一方
の電源、情報通信、電話ケーブルの配線の自由度を高めるために床を二重にする必要が発
生した場合に行います。(新しいオフィスビルの場合は最初からフリーアクセスフロアにな
っているケースがほとんどです)一般オフィスにおいて床上げを行う場合は3〜15cm程度
が一般的で、支柱型と配線用の溝があるブロックタイル型の2タイプがあります。価格的
にはブロックタイル型のほうがコストパフォーマンスは良いのですが、いわゆる「置き敷
き」のため床の不陸(=凸凹 床は基本的にはフラットですが若干の傾斜や凸凹がありま
す)がフリーアクセスにした場合そのまま反映されてしまいます。また床仕上げには最近
のオフィスはタイルカーペットで仕上げるケースがほとんどですがこれは、足の疲れの軽
減や防音、保温効果に優れているためです。国内で生産されているタイルカーペットは一
般てきに50X50cmの大きさで施工性も良く汚れた場合でもその箇所だけ交換出来るので
使い勝手も良好です。したがってオフィスチェアのキャスターも大部分がカーペット用が
標準装備ですのでPタイル(プラスチックタイル)やフローリングの場合はキャスターの
交換の必要があります。

電話、LAN工事

会社を設立したときに必要不可欠なものとして電話の設置があります。その際に必要な事項として
・電話番号の取得
・電話機の選定・・留守番電話機能や業務終了案内等ご希望の機能お知らせください。
・回線数・・何通話分話せるようにしたい、FAX何台分必要など。
・ネットの環境・・光通信、ADSL,ISDNなど。
といったことをお知らせいただければ見積もりをして金額がでます。またNTTとの対応はほとんどの業者で代行可能ですので、起業時の忙しいときなどは全て任せてしまうのも良いでしょう。

壁はオフィスの空間を縦方向に区切るもので、空間の構成で最も大きな面積を占めますので目に入ることが多く、オフィス環境に影響を与えることになります。壁を構成するものには元からある、躯体壁とゾーニングする際に施工する各種の間仕切りがあり、間仕切りには軽量鉄骨間仕切り(軽鉄間仕切り・造作壁)と既製品(スチール、アルミ)があります。軽鉄間仕切りは軽量鉄骨を支柱としてその上に合板やプラスターボードで壁をつくり、壁クロスや塗装を施して仕上げます。アルミパーテーションは本体のコストや解体・再組立てのフレキシビリティに優れているが防火、防音や美観に乏しい面があります。特に高層ビルでは使用できないケースがありますので注意が必要です(消防法に抵触します)。アルミに比較してスチールは高価ですが難燃防音性が高く美観が良いので多くのオフィスで使用されています。パネル内にグラスウールを充填することにより防音効果はさらにあがります。またパネル表面に塩ビシートなどを貼って高級感を演出することも可能ですから部屋の用途によってはレイアウトの際に計画してみるのもよいでしょう。また躯体壁にはクロスシートを貼って美観を良くするのと同時に吸音性を高め音の反響を抑えるとよいでしょう。

 

電気工事

電気工事は現場調査とレイアウトの後に見積もりとなりますが、まず入居予定のオフィスの電気容量が希望しているパソコンやコピー、複合機などの台数分まかないきれるかどうか調べます。容量が不足するようであれば回路を増設します。おおまかな調べ方として1回路は20アンペアとなり、たとえばノートパソコンであれば1台約アンペア、デスクトップであれば2〜3アンペア、複合機は6〜7アンペア必要ですので大体何回路必要か予想が付けられます。また一人当たりのOAタップが必要かもわかると良いと思います。細かな点は現場調査や打ち合わせ時に専門家に希望を伝えることが大事です。

天井

一般的なオフィスでは、空調・換気・配線などが通るためスラブの下部に改めて天井を設けています。天井自体には照明・空調吹き出し・換気口・防火・放送など様々な設備がつくとともに、保温・吸音などの機能や電源・情報通信などの配線といった機能があります。このような諸設備と天井支柱材や仕上げ材をユニット化したものがシステム天井です。システム天井は後期の短縮が見込まれ美観性に優れ模様替えが容易なため多くのオフィスビルで採用されています。ただし強度がやや劣るので、パーテーションを取り付ける際には注意が必要です。

窓廻り

窓からの採光及び遮光を調節するためにブラインド・ロールスクリーン・カーテンを取りつけますが、オフィスではブラインドが一般的です。ブラインドには横型と縦型がありますが腰高より高い位置にある窓には横型、床から天井まで窓があるような場合は縦型を取りつけるケースが多いです。ロールスクリーンは布製のスクリーンを巻き上げて上下させるタイプで横型ブラインドと似てはいますが、角度が変えられないので遮光はスクリーンの上下のみで行うことになり使い勝手がやや劣ります。カーテンはオフィスではほぼ使われることがありませんがオフィスで使用する場合は遮光性の高いものをお勧めします。またプライバシーやセキュリティの面からもブラインドを設置して外部から覗かれないようにしましょう。

工事の納期

内装工事も材料の手配や職人の確保などがあるので、工事実施まで1〜2週間かかることが多いので注意しましょう。また音の出るような工事は他の会社に迷惑がかかるので、事前にビル管理の人と打ち合わせたりしましょう。平日は工事不可というケースもあります。
目安として主な工事の発注より実施までの納期をお知らせします。(必ずしもこのとおりとは限りません)
各種間仕切り工事・・おおむね1〜2週間
壁クロス、塗装工事・・おおむね1週間
天井工事・・おおむね1〜2週間
タイルカーペット工事・・おおむね1週間

 

フリーアクセスフロア

オフィスビルにおいて二重床が用いられることが一般的になっていますが、この二重床のことをフリーアクセスフロアと呼びます。フリーアクセスフロアには高床型と低床型があり、配線の使用場所や量、方法によって使い分けます。
・高床型・・15〜50cm位の高さを持つ床で支柱タイプが一般的です。情報システム室やデータセンターなどの大量で複雑な配線をする場合に使用されます。また24時間空調や効率的な冷暖房が必要な場合に大きな床空間が得られるため、床下空調のダクトとしても使用されることもあります。
・低床型・・一般オフィスの配線をフレキシブルに行うために使用されます。高さは3〜15cm程度で支柱型と配線用の溝があるブロックタイプがあります。
最近ははじめからフリーアクセスフロアになっているオフィスが大部分ですが、自社でフリーアクセスフロアにする場合は、出入り口をスロープや框にしたり、価格や納期の問題もありますので専門家とよく相談してから実施しましょう。

カーペット

カーペットは欧米においては古くから用いられていますが、日本においてはニューオフィス推進運動以降、急速に普及している床素材で、ほとんどのオフィスの床がタイルカーペット仕様となっています。カーペットは足の疲労軽減や防音、保温効果があり耐久性にも優れています。カーペットの織りには代表的なものとしてカットタイプとループタイプがありますが日本ではループタイプの製品が多く採用されています。これはループタイプがカットタイプと比較して耐久性とコストパフォーマンスが良いためです。タイルカーペットは50cm×50cmの板状になっているので、汚れた場合必要な部分だけ交換することが出来たり、アクセントカラーを入れたり出来るので、床のデザインがしやすくなります。

板張り仕上げ

板張り仕上げには木製床、フローリング、寄木などがあり、オフィスではリフレッシュスペースやカフェテリアなど、気分転換をする場所に用いられることが増えています
・木製床板・・根太や床下地合板などに巾10cm位の板を釘打ちで固定する方法です。
・フローリング・・ブロック上のもの(フローリングブロック=硬木類の寄木を24cm、30cmの正方形で厚さ1.5cmもしくは1.8cmのタイル状にした床材で床下地に接着剤で貼り付ける)と板状のもの(フローリングボード=合板や天然木を寄木にした板状のもので、根太や床下地合板などに釘打ちもしくは接着剤で貼り付ける)があり、オフィスではフローリングボードの仕様が多いようです。

プラスチックタイル

プラスチックタイル(Pタイル)は30cm×30cmの樹脂製の薄い板状の床材です。比較的安価で、ニューオフィス化推進運動以前の国内のオフィスでは標準的な床仕様でした。耐水性がよく清掃しやすいため清潔感があり、長期の使用にも耐えるため、食堂や共用スペースの廊下、水廻りでの使用に向いています。ただし硬質であるため防音性に乏しく、足の疲労を軽減しにくい素材です。カーペットに比べて滑りやすいので注意が必要です。


 

石材

石材は非常に高価なため、エントランスロビーや高級仕上げが必要な共用スペースなどに用いられます。石材は硬質で磨耗性や耐水性がよく清掃がしやすく自然な高級感が得られます。その一方滑りやすく材料代だけでなく加工にも非常にコストがかかってしまいます。
石材は磨き仕上げとして表面を平滑にし、鏡面のようにする方法と歩行時の滑り止めや光の反射を抑えるため表面に凸凹をつける粗面仕上げがあります。床材についていくつか説明しましたが、それぞれの特性をいかして効果的な使い分けをしていきましょう。

は空間を縦方向に区切るもので、空間構成の中で大きな面積を占めますので目に入ることが多く、オフィスの環境に影響を与えることになります。壁は壁体と壁面に別れます。
壁体・・外部からの熱、音、光などを遮蔽する役割があります。
壁面・・壁体の保護と表面仕上げの面から視覚的な意匠性をもちます。
壁には建築上必要な外壁、構造に郷土を持たせる構造壁、防火等法規で定められている防火壁などの躯体壁と、空間を仕切る目的の間仕切り壁があります。

壁の仕上げ

の仕上げには、モルタルやプラスターまたは塗料などを塗る湿式(塗り壁)と、合板や壁紙を貼る乾式(貼り壁)の2つの方法があります。鉄筋コンクリート造りや鉄骨造りが多いオフィスビルでは、構造体と壁体が一体になっていることが多く、壁面仕上げも壁体そのものがコンクリート打ち放しや湿式仕上げのものと合板やプラスターボードで下地をつくり乾式で仕上げる方法があります。一般的なオフィスの内装仕上げとして、内壁に軽量鉄骨の柱を立て必要に応じて横桟を入れて、その上に合板やプラスターボード、パーティクルボードなどで下地をつくり、表面を塗装や壁紙を貼る方法がとられます。

間仕切り 造作(軽量鉄骨)壁

間仕切りとはゾーニングに従って個室を構成する壁をつくることで、天井と床を仕切ることをいいハイパーテーションという言い方もします。一般の方の中には背の高いローパーテーション(H=1800とか2100位のもの)をハイパーテーションとおっしゃる方もいらっしゃいますが、誤解を招く呼び方ですので注意しましょう。間仕切りには造作壁と既製品があります。
造作壁は軽量鉄骨を支柱としてその上に合板やプラスターボードで壁をつくり、塗装や壁クロス等で表面を仕上げたものが一般的です。コストパフォーマンスや作業工程の短縮の面でも有利です。

アルミパーテーション

アルミパーテーションは、支柱を床は固定金具、天井はジャッキなどで固定し支柱間にパネルをはめ込む方式で組み立てます。パーテーション本体のコストや、レイアウト変更などに伴う、解体・再組み立てが比較的容易ですが、支柱がむき出しになっているため美観の問題やパネル内部がダンボールなどのハニカム構造になっていますので、防音性や難燃性に問題があります。そのため高層のオフィスビルでは消防法との兼ね合いから、使用されるケースはほとんどありません。

スチールパーテーション

スチールパーテーションは、支柱の外面に、プラスター充填したパネルを取り付ける方式で組み立てます。支柱を両面からサンドイッチする方式のパネルが多いですが、両面一体型のパネルもあります。アルミパーテーションと比較するとコストの面では不利ですが、美観性や難燃性、防音性に優れており、解体再組み立ても比較的容易に行えます。また完成時のパネルの厚みは主に6cmと8cmがあり、後者の方が防音性では有利です。このほかにガラスを用いて間仕切りするデザイン性に優れたものもあり、企業のイメージや価格を検討したうえで用いるのもよいでしょう。

パーテーションの表面仕上げ

パーテーションの表面仕上げには、スチール製やカラー合板がありますが、一般的にはスチール製塗装仕上げです。パネルのカラーはアイボリーや薄いグレー色などが用いられてきましたが、最近ではオフィス内での禁煙化が進んでパネルが汚れにくくなってきたこともあり、ホワイト色のパネルも多くなっています。また高級感を出したりデザイン性を高めるため、パネルに塩ビシートなどを貼って仕上げる場合もありますが、コスト面で高価になりますので注意が必要です。

耐火性・防音性

火災時の被害を最小限にするため、間仕切りは不燃性、難燃性に優れたものを選ぶのが理想で、断熱材(プラスターボードやグラスウール)を使用するなどの工夫が必要です。特に重要な部屋の防火は十分な配慮をすることが求められます。防音の高い間仕切りにするためパネル内部にグラスウールなど遮音に優れた材料を用いると共に、厚みのあるパネルを選択することが望ましいでしょう。ただし音を完全に遮断するにはスラブ下から間仕切ることが必要になってきますので、専門家によく相談して行いましょう。