会社の種類について

ビジネス(商売)をしようと考えた場合、個人事業か会社設立かでお悩みの方は多いのではないでしょうか?
個人事業主でも成功し、ビジネス(商売)を続けられている方は数多くいらっしゃいます。

また、会社を設立するといっても、株式会社だけではなく、たくさんの種類があります。
それぞれにメリット・デメリットはありますが、ご自身の事業にあった組織形態を選ぶための参考にしてみてください。

個人事業から法人化へのタイミング

個人事業から法人化するタイミングは次のようなときです。
どのようなタイミングで会社を設立するのかお悩みの方は参考にしてみてください。

1.業種や経営状況にもよりますが、一般的に1,000万円以上の利益が出せるようなら、会社を設立することで節税になると言われています。

2.共同で出資しビジネスを行うとき、株式会社ならば出資比率を明確化することが出来ます。ビジネスが失敗しないためにも株式会社の設立が必要となってきます。

3.営業許可が必要な業種で、法人でなければいけないときは必ず法人の会社を作る必要があります。

4.取引先が法人である場合、こちら側が法人であることが取引条件となる場合が非常に多いです。企業によっては法人の口座でないと代金を振りこまないという場合もあります。この場合、法人の会社を作る必要があります。

個人事業

税務署に手続きするだけで事業を始めることが出来ます。個人事業主は自営業者とも呼ばれ、世の中で一番簡単にビジネスを始められる形態で、初めての起業や小規模のビジネスにあっています。しかし借金などのビジネス上の責任は原則として、全て個人が背負うことになりますのでその点は注意がひつようです。(無限責任)

株式会社

株式会社は、お金を出資する株主とその株主から経営を任される取締役という関係で成立しています。株主は出資した金額しか責任を負わない有限責任で、取締役は経営の責任を負うことになります。会社についての事項は全株主による株主総会で決定され取締役の選任も、この株主総会で行われます。そして選任された取締役は取締役会を開き、会社の業務について決議し経営責任を負います。これは一人出資、一人取締役でも変わりません。また、株式会社の役員には監査役(会社の経営や取締役の業務執行を監査し、株主の利益を保護する役割)や、会計参与と呼ばれる機関もあります。
*新会社法により、株式に譲渡制限を設けている会社は取締役会設置が任意となり、取締役会を設置しない会社は監査役の設置が任意となりました。

合同会社(LLC)

新会社訪で導入された新しい組織の形です。出資者と経営者が一致していて、有限責任であるにもかかわらず、組織の運営が簡単なことが特徴です。設立費用が安いなどのメリットや、出資比率に関係なく利益を分配できたり、決算を公開しなくてもよいなどの特徴があります。今後は有限会社に代わるスタイルの会社として非常に注目されています。多くのメリットのある合同会社ですが、設立には下記の注意が必要です。
合同会社を設立しようとする方(発起人)には
・パートナー選びを慎重にする。
・資本金の額も考えて設定する。
などが求められます。

合資・合名会社

合資会社は、無限責任社員と有限責任社員1名以上で構成される組織になります。資本金も小額で手続きも簡単ですが、無限責任社員は個人事業主と同じで、責任が無限になりますのでその点は注意が必要です。
合名会社は合資会社と同じく資本金も小額で手続きも簡単なことが特徴ですが、無限責任社員だけで構成されるので、責任も無限責任となりますので、設立前には十分検討して下さい。

有限責任事業組合(LLP)

この組織は組合であり、法人ではありません。合同会社と同じく出資比率に関係なく利益分配ができるなどの自由度の高い組織形態ですが法人ではないため法人税が適用されず、構成員課税(パススルー課税)という方法を採用しています。現在、株式会社を経営している方がリスクの高い事業や、新たに試してみたい事業を始める際に適当です。
※ 構成員課税(パススルー課税)とは出資者に直接課税することをいいます。
例えば
会社を経営しているAさんが100万円出資して友人とLLPを設立した場合、そのLLPが赤字になってAさんにも100万円(出資した額)の損失が割り振られたとします。しかしAさんの経営している会社は黒字で800万円の所得がありました。この場合Aさんは、800万円から100万円を差し引いた700万円に対して課税されるということになります。これは節税効果にもなります。ただ、節税目的でのLLP利用を防止するために、一定金額以上の損失を構成員に分配できないように定められています。簡単には、出資額+内部留保利益(前年以前の獲得利益の内、金銭等にて実際に分配した金額を控除した金額)を限度としています。

NPO(特定非営利活動法人)

NPO法人というとボレンティア団体と思われる方もいらっしゃると思いますが、収益をあげることも可能です。(一般的にボランティアで非営利活動の民間団体をNPOといいます。NPO法人は規定によって成立した法人格を持った団体です。)
設立にはいくつか制限がありますが、手続き費用はかかりません。不動産の登記や銀行口座にも法人名を使用できます。しかし、活動していなくても毎年税金がかかります。また神聖から冬季完了まで約半年かかり、情報公開も義務付けられています。

 

株式会社設立のメリット 節税対策

個人事業では利益が出れば出るほど税率が上がるのに対し、法人では一定の対策をとることで節税が可能になります。
・社長への給料が経費になる
・法人化する際の消費税の納税義務が2期免除(法人を設立する際の資本金を1,000万円未満にすると、1・2期目については消費税の納税義務が免除されます。)
・創立費や開業費を経費として(繰越資産)処理することが出来る
・決算賞与を経費に出来る
・社員旅行、保養所、スポーツクラブの利用(条件を満たせば)

H18年の税制改正前は「ひとり株主・ひとり取締役」の会社でも節税の恩恵がありましたが、税制改正後にそれがなくなってしまいました。
しかし改正後も以下のような方法で免除されるケースがあります。
・血族、配偶者以外に株式の11%を保持してもらう。
・代表以外の取締役の人数を50%以上にする。

その他にも対策がありますので専門家(行政書士など)に相談してみて下さい。

株式会社設立のメリット 社会的信用

上場会社などでは個人事業主との取引が敬遠されることもあり大事なビジネスチャンスを逃す恐れがあります。またインターネットでの通販会社を立ち上げる場合にも信用性が問われて大手のショッピングモールなどでは法人限定のサービスが増えており個人事業主では参加しにくくなっています。また銀行など金融機関からの資金調達についても個人名義と法人名義で融資してもらう場合を比較しても融資の可能性や金額も法人名義が断然有利になりますし、雇用の観点からも法人のほうが信用があるために人材確保が有利になります。

株式会社設立のメリット 責任

法人として事業を行う場合、万が一会社が倒産したとしても株式会社であれば、原則として出資した金額のみの責任(有限責任)になりますので無限に株主や取締役員の個々が責任を負うことはなくなるのでその分リスクは低いといえます。
ただし、社長個人が借金の保証人になるなどの個人として保証した場合にはこの限りではありません。
あくまでも会社としての有限責任です。

その一方個人で事業をする場合は借金などの債務や責任を最終的には全て個人で負わなければなりません。(無限責任)

 

株式会社設立のデメリット

会社を設立した場合メリットでけではなくもちろんデメリットもあります。以前に比べ法人化しやすい環境が整ったとはいえまだまだ手続きは煩雑ですし25万円程度の費用が必要になります。個人事業主であれば税務署に手続きするだけですぐビジネスが始められることを考えると法人は労力とコストがかかります。また会社設立後は法人住民税の納税(最低でも年間7万円の税金がかかり、会社が赤字でも納税義務があります)が定められていますし、法人の場合会計事務所に頼らざるを得ないため顧問料など必要経費が増えてしまいます。

 

会社の種類 各種スタイルの比較表

それぞれの会社形態でかかる費用や構成人員の一覧表です。参考にして下さい。

  株式会社 合同会社(LLC) LLP(有限責任事業組合) 個人事業
組織形態 法人 法人 組合 個人事業主
資本金 1円以上 1円以上 2円以上 不要
設立にかかる 約25万円 約10万円 約6万円 不要
法定経費
最低構成員数 取締役1名以上 社員1名以上 組合員2名以上 自由
節税対策 経費に認められる 経費に認められる 構成員課税が 経費に認められる
対象が広い 対象が広い 利用できる 対象が狭い
信用度 高い 未知数 未知数 会社に比べると低い
責任 有限(個人保証 有限(個人保証 有限(個人保証 無限(すべての
の場合は無限) の場合は無限) の場合は無限) 責任を取る)
決算時期 自由に決められる 自由に決められる 自由に決められる 12月(事業年度は1月〜12月)
業種の変更 定款の目的により 定款の目的により 契約書の目的により 自由にできる
制限がある 制限がある 制限がある





※合同会社、LLP(有限責任事業組合)については、まだ認知度が低いため未知数です。

会社の種類 会社と個人事業主の税金面比較

会社と個人の場合税率は以下のようになります。

会社 個人事業
法人税 所得税
利益800万円以下・・・22%
800万円以上・・・30%
所得金額330万円以下・・・10%
330万円〜900万円以下・・・20%
900万円〜1,800万円以下・・・30%
1,800万円以上・・・37%
法人事業税 個人事業税
利益400万円以下・・・5%
400万円〜800万円以下・・・7.3%
800万円以上・・・9.6%
(事業所得 290万円)×3〜5%(業種でちがう)
法人住民税(都道府県民税) 個人住民税(都道府県民税)
均等割・・・2万円〜160万円
所得割・・・5%(実質1.1%か1.5%)
均等割・・・1,000円
所得割・・・700万円以下・・・2%
700万円以上・・・3%
法人住民税(市区町村民税) 個人住民税(市区町村民税)
均等割・・・5万円〜300万円
所得割・・・12.3%(実質2.7%か3.6%)
均等割・・・3,000円
所得割・・・200万円以下・・・3%
200万円〜700万円以下・・・8%
700万円以上・・・10%
消費税 消費税
課税売上高が1000万円以上・・5% 課税売上高が1000万円以上・・5%

※税率は会社の資本金が1億円以下の場合です。
住民税は都道府県、市区町村でちがう場合があるので、管轄の自治体にご確認下さい。

有限会社はどうなった?

新会社法が施工され、新しく有限会社を設立することが出来なくなりました。つまり有限会社は廃止されたのです。では今まで有限会社だった会社はどうなるかというと、特例有限会社として存続することになりました。
特例有限会社は会社名は「有限会社」のままで、実態は「株式会社」という形になります。この特例有限会社に関しては、新会社法が施行されても基本的に手続きが不要で、そのまま事業を続けることができます。