税金 通常支払う税金、一定の条件に該当した場合払う税金

会社を経営していると当然支払わなければならない税金と、一定の条件に該当した場合だけ支払う税金がありますが、この2種類について説明します。

◆通常支払う税金 
  1. 法人税
  2. 法人地方税(法人住民税、法人事業税)・・会社の利益に、損金不参入や益金不参入などを調整した税法上の利益(所得金額)に対して税率を掛けて計算します。
  3. 消費税・・預かった消費税から、仕入れなどで支払った消費税を差し引いて残った金額を納税します。利益がなくても納税することがあります。
◆一定の条件に該当した場合払う税金
  1. 事業所税・・床面積や従業員数が一定規模以上の会社に対して課税される市町村税(法律上人口30万以上など大都市のみ)
  2. 外形標準課税(法人事業税)・・資本金が1億を超える会社の法人事業税に導入されたもの。会社の利益だけでなく資本金の金額や家賃総額、人件費総額なども含めて税額を計算。
  3. 印紙税・・契約書や領収書などの文書に課税される税金で、文書に収入印紙を貼付しさらに割印することで納税とみなされます。
  4. 登録免許税・・登記をする際に納める税金

従業員の採用

会社の経営が順調で事業拡大に伴い従業員を増やすケースが出てきた場合どの雇用形態で採用すべきか考える時期が来ると思います。その場合正社員、派遣社員、パートの性質を考え採用することが重要です。以下にそれぞれの性質をあげますので参考にしてください。
・正社員 長期の勤務が来たい出来る。
重要な業務に就かせることができる。
給与コストが高い
・パート 比較的簡易な業務に就かせることで人件費を削減できる。
業務量に応じ雇用調整ができる。
短期雇用多いので責任感が薄くなる。
・派遣社員 社会保険や労働保険に加入させなくてよいなど労務管理上のコスト削減可能。
能力のある即戦力を即座に活用できる。
雇用契約は派遣元のため責任感が薄くなる。
自社の社員でないため技術上のノウハウが蓄積されない。
以上のように様々な特性がありますが、実績に応じてパートや派遣から正社員に採用するケースなどもあります。

外国人の採用について

人材募集をする際、場合によっては外国人を採用することも考えられます。外国人を採用するには注意しなければいけない点がありますのでいくつかポイントを挙げて見ます。
・在留資格を確認する   外国人労働者を雇う際には在留資格を確認しましょう。就労することが認められていない外国人を採用してしまうと、不法就労を助長したことになり罰則の対象となります。
・在留期間を確認する   外国人労働者を雇用する場合には在留期間を確認する必要があります。外国人は在留期間を超えて日本国内に滞在することが出来ませんので当然罰則の対象となります。在留期間は在留資格と共にパスポートや外国人登録証明書で必ず確認しましょう。
・雇用契約の結び方   外国人労働者を雇用する際は、労働条件を明示することが重要です。言葉に違いや習慣の認識違いから発生するトラブルを防止できます。労働条件を決めるときは労働基準法をはじめとする労働関係法令が適用されますので外人であるという理由で労働条件を低くしたり低賃金で雇用するというようなことは許されません。労働保険や社会保険についても日本人同様に適用されますので漏れなくこれらの保険に加入する手続きをしましょう。

就業規則

従業員が10人以上の場合は就業規則を作成し労働基準監督署に届け出なければなりません。
就業規則は会社の憲法ともいえますので、10人未満でも作成することが望ましいといえます。
また届け出た就業規則は従業員がいつでも閲覧できるようにしておく必要があります。

就業規則には
・始業、終業の時刻
・賃金
・退職に関する事項

などをを記載します。
作成の際にはこれらの事項を確認し、漏れがないようにしましょう。
また守秘義務に関する事項や休職、懲戒に関する事項なども記載するのが一般的です。

従業員の募集

少し前までは、新聞広告、求人誌等紙媒体での募集が主流でしたが、最近はインターネット上での求人サイトが効果的だといわれおり、事実ネット上では業界、業種に絞ったサイトが多々あります。ハローワークの求人もネット上で公開されるため幅広い求職希望者から問い合わせがあるようですが、民間の求人サイトから応募する人材のほうが比較的粒が揃っているようです。また人材紹介会社を利用する方法もありますが、難点としては紹介料が高い点です。(年収の30%が相場だそうです。)ただ大勢と面接する手間や時間を考えるとあながち高いとはいえないかもしれません。

労働契約締結時に従業員に伝える事項

従業員を雇い入れたら労働契約を結びます。労働条件には契約期間や従事する業務の種類、退職、解雇などの条件を明示しましょう。労働条件通知書を渡すことによってより詳しく明確に条件を示すことが出来ます。これによって賞与や退職金の支払いの有無でもめるようなトラブルを未然に防ぐことも出来ます。労働条件には必ず書面で説明しなければならないと決められています。しかし会社に就業規則がある場合にはその交付をもって代用しても構いませんが、この場合も会社の就業規則において適用箇所を明示する必要があります。

秘密保持の義務

会社がもっている技術上のノウハウや人事情報、顧客情報を社外に漏らさないように規定を設けましょう。
具体的には就業規則や雇用契約書で秘密漏洩禁止を定め、入社の際や異動の際に秘密漏洩に関する誓約書をとることも効果的です。

次に違反した場合の罰則を定めることが必要になります。
「秘密保持規定に違反したら懲戒処分にする。」といった条文を作成することで秘密漏洩禁止がより強固になります。
また電子メールの送受信記録を調査できるよう規定したり、記録媒体の持ち出しによる秘密漏洩防止に所持品検査できるよう規定するのも有効です。
退職金規定に盛り込めばより強い効果を発揮します。

今現在、会社で使う携帯電話に写真機能がないものを使っている企業も増えてきています。
秘密漏洩防止のために大手企業も色々な対策を行っています。

会社の税金ではないが会社に納税義務がある税金

所有することで支払う税金、会社の税金ではないが会社に納税義務がある税金があります。それらについてもご案内しておきます。

◆所有することで支払う税金

  1. 不動産取得税、自動車取得税・・不動産取得税は土地や建物を取得した際に課税されます。有償、無償、売買、贈与、現物出資などの原因も問いません。また登記の有無も関係なく、実質的な所有者に対して課税されます。自動車取得税は自動車を取得する際に支払う税金です。
  2. 自動車税(軽自動車税)、自動車重量税・・自動車税(軽自動車税)は自動車を保有することで課税されます。自動車重量税は車検時に車両の重量に応じて課税されます。
  3. 固定資産税・・土地、建物を賦課期日(1月1日)に所有している場合に課税、1月1日現在所有していれば、たとえ1月2日に売却しても全額課税され、日割り計算は行われません。
  4. 償却資産税・・固定資産税の一種で、購入対価20万円以上(一定の場合10万円以上)の有形固定資産(土地、建物、自動車以外)が対象で、特許権やソフトウェアなどの無形固定資産には課税されません。

 

◆会社の税金ではないが会社に納税義務がある税金

  1. 源泉所得税・・給与、賞与、退職金、配当金、源泉徴収の対象となる支払報酬等から天引きされた源泉所得税は、原則としてその支払月の翌月10日までに納税します。
  2. 個人住民税(特別徴収)・・特別徴収(給与天引)を選択している個人住民税は、原則として給与支払日の翌月10日までに納税する。

 

従業員の募集 面接

採用募集に応募があった際当然面接を行うわけですが、面接のとき大切なのは、応募してきた人の仕事をする能力や資質などを見極めることです。したがってその人の能力とは関係のない質問はしないようにしましょう。例えば出身地や宗教、家族構成についての質問は避けなければなりませんがこれらの質問は、本人の能力と無関係であるのと同時に差別につながることがあるからです。また何を基準に評価すべきか?ですが、会社にとって重要なのは能力を発揮して会社を盛り上げてくれる人材を採用することです。面接では職歴や資格、コミュニケーション能力、専門的な知識や能力などを見て判断するべきです。尚労働基準法では従業員の解雇が非常に厳しく制限されており、一度雇い入れるとなかなか解雇することが出来ませんので面接は慎重に行いましょう。

効果的な節税

会社の業績が順調で利益が出てきました。当然税金は支払うわけですが、できれば税金を少なくしたいというのが本音だと思います。そこで効果的な節税方法を考えてみたいと思います。

◆役員報酬を増額する
役員報酬を増額すると会社の利益はへりますが、役員報酬は給与所得として「給与所得控除」が差し引かれるため増加した金額よりも低い金額に所得税がかけられ、法人税、所得税トータルで考えると節税になります。ただし「特殊支配同属会社の業務主宰役員給与の損金不参入」という規定に該当すると、かえって税金が増加する可能性があるため注意が必要です。

◆決算賞与を支給する
会社に利益が出ていれば、従業員に決算賞与を支給して利益を還元するのもひとつの方法です。決算賞与は決算日までに未払いであっても、その期の経費として計上できます。ただし、未払計上するにはいくつかの要件があります。

◆経営セーフティ共済への加入
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、独立行政法人中小企業基盤整備機構が行う共済制度で、得意先が倒産した場合に無担保、無利息、無保証人で共済金の貸付を受けられる制度です。この共済の掛金は全額損金参入ができ、掛金納付月数が40カ月以上であれば任意解約でも掛金の全額が戻ってくるというものです。

◆短期前払費用を利用する
短期前払費用の規定は、家賃、保険、利息などの費用を1年分前払いしたときに、その支払った全額を損金として認めるというものです。1年を超える期間を前払いした場合にはこの規定の適用はありません。

パートの労働基準や社会保険加入について

・労働基準  基本的にはパート、正社員とも労働基準法が適用されます。パートだからといって有給休暇を与えなかったり残業代を払わないと法律違反になります。また雇用時には正社員、パートを問わず雇用期間や従事する業務の種類など明示することが労働基準法で定められていますし労働条件のなかには書面での明示が義務付けられているものもあります。パートなどの臨時的な従業員に対し口頭で雇用契約を結ぶケースが見受けられますが労働基準法に違反するだけでなく、後々トラブルになる可能性があるので労働条件は必ず書面にしましょう。
・雇用保険、社会保険   一週間の所定労働時間が20時間以上で一年以上の雇用が見込まれるパート従業員は雇用保険に入る必要があります。要件を満たすのに加入させなかったりしたために退職後にっ失業保険を受給できないなどのトラブルがよくあるようです。加入基準をしっかり把握し加入漏れがないようにしましょう。また社会保険も一定の要件を満たしたパート従業員は加入しなければなりません。パートの社会保険加入用件は今後変わっていく方向にありますので注意が必要です。

 

労働時間

労働時間には上限があります。労働基準法では1日8時間、週40時間を越えて働かせてはならないことになっていますがこれを「法定労働時間」といいます。
もしこの時間を越えて働かせると違法になります。従業員を雇用し業務に就かせるときにはこれらの上限を超えないように所定労働時間を設定しなければなりません。

業務の都合で、法定労働時間を越えて働かせることがあると思いますが、時間外労働をさせるためには、会社は「36協定」という協定を結ばなければなりません。
会社はこの協定を労働基準監督署に届け出て初めて時間外労働をさせることができるようになります。
この協定は事業の規模や従業員数にかかわらず届け出なければなりませんが実際には届け出ずに時間外労働をさせるケースが目立つようですが、労働基準監督署の調査では必ずチェックされる書類でもありますので、忘れずに届け出をしましょう。

 

※「36協定」は会社と従業員の過半数を代表する者で結びます。過半数を代表する者は管理職以外の従業員の中から、挙手や投票で選択します。

 

残業代

残業代を支払わなければならないのは
  • 1日8時間、週40時間を越えて働かせたとき
  • 休日に働かせたとき
  • 深夜の時間帯(午後10時から午前5時まで)に働かせたとき
となっています。

残業代は、通常の給与額に割増率を掛けて算出します。
  • 時間外労働(法定労働時間を超えた分)・・2割5部増
  • 日労働・・3割5分増
  • 深夜労働(午後10時〜午前5時の間)・・2割5部増
  • 時間外労働が深夜に及んだ場合・・5割増
  • 休日労働が深夜労働に及んだ場合・・6割増
ただし家族手当や通勤費といったものは通常の給与とはみなされないため、残業代の計算から除外されます。
注意しなければならないのは、単に手当ての名称を家族手当としても除外できない点です。除外できるのは扶養する人数によって支給額が変わるような家族手当で、一律に家族手当として同額が支給される場合には残業代の計算から除外できません。

従業員の解雇

会社は従業員を簡単に解雇することはできません。
解雇するには従業員の行為が解雇に相当すると認められるような悪質なものでなければなりません。
例えば勤務態度が悪いという事実だけではダメで、粘り強い教育や指導を繰り返し、それでも勤務態度が直らない場合に、改善の余地なしと判断し解雇が可能になります。

従業員を解雇する場合、会社は30日前に解雇を予告するか、予告しない場合は30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払う必要があります。
ただし2週間以上の無断欠勤や横領など従業員側に重い責任がある場合は解雇予告や解雇予告手当ての支払いなく解雇することができます。この場合には、事前に労働基準監督署で解雇予告の除外認定を受けなければなりません。

従業員が傷病で会社を休み療養している期間とその後30日間及び産前産後の休業中とその後30日は解雇できません。これらの期間は解雇が出来ないだけで解雇予告はできます。

有給休暇

有給休暇は6カ月以上継続勤務し、出勤すべき日の8割以上出勤した従業員には、労働基準法で定められた日数の有給休暇を与えなければなりません。
条件を満たした従業員が有給休暇の申請をした際にはこれを拒否することは出来ません。
ただし申請された有給休暇が「事業の正常な運営を妨げる場合」には、申請を拒否することができます。
申請を拒否した場合は申請された休暇日になるべく近い別の日に休暇を与えるなど配慮しましょう。

退職

従業員が退職する際は必ず退職届を出してもらいましょう。
口頭でのやり取りはトラブルのもとになります。
退職を受理すると従業員から有給休暇を申請されることがよくあります。有給休暇は従業員が申し出た日に取得させなければなりません。退職するといった理由で申請を拒否できませんが、有給休暇によって業務の引継ぎに影響があると考えられる場合はこのかぎりではありませんが、あくまで従業員と十分に話し合うことが必要です。

会社は従業員退職後、雇用保険と社会保険の資格喪失手続をする必要があります。
労災保険は会社が加入する保険なので手続きは発生しません。雇用保険の資格喪失手続は従業員の退職後10日以内に公共職業安定所で行います。

手続時には、給与台帳や出勤簿またはタイムカード等の書類が必要です。社会保険の資格喪失手続は、従業員が退職してから5日以内に社会保険事務所で行います。
このとき健康保険証を社会保険事務所へ返却する必要がありますから、退職日には健康保険証を預かるようにしましょう。

業績悪化による解雇

努力しているにもかかわらず業績悪化により残念ながら従業員を解雇しなければならない場合、整理解雇ということになります。
整理解雇をするときには解雇後のトラブルを避けるため下記の事項に十分注意しましょう。以前にも書きましたが、簡単に従業員を解雇することは出来ません。
  • 会社の維持、存続のため整理解雇をするのに必要な理由があるか。
  • 整理解雇の対象者がハッキリしており、それが合理的な基準で選定されたか。
  • 整理解雇を避けるため、人事異動や退職者の募集などを行ったか。
  • 整理解雇のために従業員と十分に話しあったか。

会社をたたむ

大変残念ながら業績の悪化で会社を存続するのが困難になり会社をたたむ場合もあると思います。その方法もいくつかあるのでご紹介します。(この項目が必要にならないことを願います)

 ◆解散、清算
会社の解散とは営業活動を順次終了して清算会社になることです。清算会社とは営業活動を行わずに売掛金など債権の回収、在庫や設備等売却し買掛金を支払い、借入金を返済して現金、預金だけが残った状態にするためだけの会社です。

◆休眠
休眠会社は、会社は法的には存在していますが営業活動をしていない会社です。解散、清算の手続きは費用がかかるためそのまま放っておきます。実務上よく行われている方法です。

◆株式譲渡
会社を丸ごと譲渡するときは、所有する株式を譲渡します。株主が所有する株式を購入する相手に譲渡するだけなので簡単です。

◆営業譲渡
営業譲渡は会社の営業全て、または一部を他の会社に譲渡することをいいます。得意先との関係、社員、設備などを一体として他の会社に譲渡することをいい、この場合株主総会での特別決議が必要です。

◆合併
合併は一方の会社が他方の会社を吸収する吸収合併と、2つの会社が解散して新会社を設立する新設合併があります。どちらにしても今ある会社の権利義務や財産などを一切存続会社が引き継ぐ効果があります。